濫用的短期賃貸借

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濫用的短期賃貸借

任意売却/競売の用語の解説 - 濫用的短期賃貸借

濫用的短期賃貸借

濫用的(らんようてき)短期賃貸借とは
濫用とは、一定の基準や限度を越えてむやみに使うことの意味です。
例えば職権の濫用の濫用(らんよう)です。

平成16年4月1の民法改正で、旧民法296条の短期賃貸借制度が廃止になりました
改正前の短期賃貸借制度とは
抵当権設定登記後に締結された賃借権は、抵当権者に対抗出来ないのが原則でした。
従って、抵当権が実行された場合、賃借人は、競売手続きにより競落した買受人に対し、借地や借家を直ちに明け渡さなければなりませんでした。 また、敷金も 買受人に引き継がれませんから、返済資力がない旧所有者(賃貸人)にしか請求できませんでした。 しかし、このように賃借権が保護されない状態では、抵当権 が設定されている建物や土地については、誰も安んじて借りることはできず、抵当権付不動産の有効利用が妨げられていました。
そこで、旧民法295条は、民法602条に定める期間(建物は3年、土地は5年)を超えない賃借権については、抵当権者に対抗できるものとし、短期の賃借権 に限りこれを保護することにしました。
これにより、短期賃貸借の期間満了までは買受人に対し賃借権を対抗出来ますし、また、敷金返還債務についても買受人に引き継がれることになっていました。  これが短期賃貸借の制度でした。

簡単に言えばお金を払っているのに大家に逆らえない賃借人を保護する旨の制度でした。
しかし、これによって賃借人の権限が非常に強くなり同時に弊害が生じておりました。
  (1) 競売不動産の買受人から不当な立退料を得ることなどを狙った執行妨害の手段として、しばしば濫用されていること。
(2) 競売手続の途中で賃借期間が満了した賃借人は全く保護が受けられないなど、賃借人保護の制度としても合理的でないこと等々です。

競売で物件を落札したは良いが立退料を請求されたり、その筋系の方によって居座られて(占有屋)、競落後も物件を占拠され、泣く泣く諦めたとか、多額の 金銭を支払ったとかいう話も良く聞きます。 そしてそれが金融機関の不良債権回収を大きく遅らせているという判断の元で、この短期賃貸借保護制度を廃止 するという改正案が出され平成16年4月1日に施行されたわけであります。

改正民法395条1項は、競売手続きの開始前から使用収益をなしている賃借人に対しては、買受人の買受けの時から6ヶ月間は賃借物の明け渡しを猶予 するものとしました。 別の言い方をすれば、抵当権が設定されている建物の賃借人は、その賃借期間の長短などに関係無く、その抵当権が実行されて家主が 代わった場合であっても、新たな家主の買受け後6ヶ月間は、そのまま建物に居住できることになります。 この猶予期間中は買受人に賃料相当額を支払うこと になりますが、その支払いを1ヶ月以上怠った場合には猶予期間そのものが認められなくなります。 また、新しい明渡猶予制度では、買受人に対する敷金返還 請求はできなくなりました。 言い方を変えれば、落札者は立退料を払う必要も、引越代を面倒見る義務は無くなりました。

しかし、この法律が施行される前から短期賃貸借契約を結んでいる場合(この法律の施行後に更新されたものを含みます)は、引き続き短期賃貸借としての 保護(新たな家主に対して契約期間終了時又は更新期間終了時までの賃借や敷金返還請求が可能)を受けることはできますが、明渡猶予制度は適用さ れません。

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